グローバルで通用する獣医療プロダクトを開発するために

国内のペット市場は拡大を続けていますが、「日本だけで売れる」プロダクトは長くは生き残れません。一次・二次診療の現場で本当に機能し、科学的な裏付けがあり、海外の競合や市場基準にも耐えること。さらに、飼い主・獣医師双方にとって理解しやすいブランド/デザインであること。――この4点を同時に満たしてはじめて、グローバルで勝てる獣医療プロダクトになります。

1. 現場起点:診察室の“5分”を設計する

獣医療は「患者(動物)×飼い主×医療者」が同時に存在する特殊な現場です。診察室での説明時間は多くの場合5〜10分。ここでの理解度が治療コンプライアンス、再診率、レビュー/NPSに直結します。

まずは以下を可視化しましょう。

  • 診療フロー:受付→問診→検査→診断→説明→会計→フォローのどこで価値を出すか
  • 制約条件:時間・人員・機器・バックヤード動線・PIMS(電子カルテ)連携
  • KPI設計:理解度(説明後の再現率)、所要時間、再来率、返品/クレーム率、院内単価

プロダクトは“現場の摩擦”を減らすほど採用が進みます。導入に追加作業が生じるなら、その分を時間短縮収益増で必ず相殺できる設計を。

2. エビデンス起点:効くことを示す“測り方”を先に決める

海外展開を見据えるなら、主張より測定が重要です。

  • アウトカム:臨床(例:再診までの日数、処方遵守率)、体験(飼い主の理解度、説明満足度)、経営(客単価・滞在時間)
  • 試験設計:前後比較、対照院比較、パイロット(4〜8週)、バイアス管理
  • 再現性:院・地域を跨いだデータでの再現、データ取得の自動化

“良さそう”ではなく“効いている”を数字で語る。これが価格交渉力と海外規制・パートナー開拓の入口になります。

3. 海外ベンチマーク:市場の“当たり前”を把握する

北米・欧州では、説明コンテンツの視覚化遠隔フォローサブスク/バンドル課金が一般化しつつあります。競合は製品単体だけでなく、ワークフロー一体型の体験を売っています。

見るべきポイントは3つ。

  1. ポジショニング:代替は“口頭説明”か“PDF”か“他SaaS”か
  2. 価格帯:初期費用/月額/利用者当たり課金、導入サポートの有無
  3. 規制・表示:医療/補助製品の区分、広告表現、データ取り扱い

世界の“普通”を知らないと、日本発の独自性も設計できません。

4. ブランド&デザイン:信頼と理解を同時に届ける

獣医療の意思決定は**“科学的に正しい”ד直感的にわかる”**の掛け算で進みます。

  • ブランド:誰の何をどの場面で良くするかを7秒で伝えるタグラインとビジュアル言語
  • インフォメーションデザイン:臓器・病態・手技の医学的に正確な図解/モーションで“言葉の壁”を突破
  • UI/UX:院内導線に合わせた最小タップ、オフライン/片手操作、色覚多様性への配慮
  • トーン&マナー:飼い主に対しては不安を煽らず、理解と選択を支える言葉選び

見た目を整えることではなく、理解のコストを下げる設計がデザインの本質です。

5. 0→1の進め方:90日で“売れる仮説”を検証する

VetsBrainでは、以下の90日スプリントを推奨します。

Day 0–14|Discovery:現場シャドーイング、課題仮説、KPI定義

Day 15–45|Design:臨床監修付きの図解/モーション、MVP UI、価格仮説

Day 46–75|Pilot:2–3院でPoC、計測と反復、導入マニュアル作成

Day 76–90|Scale準備:結果のホワイトペーパー化、導入パッケージ、海外ベンチマークリライト

“完成”を待たずに測れるMVPで学習を回すことが、遠回りに見えて最短です。

6. VetsBrainが提供できること

  • Consulting:現場起点の課題定義、KPI設計、PoC設計・実施、海外ベンチマーク
  • Design/Illustration:獣医療・基礎生物学に通じた正確な図解/モーショングラフィックス、院内配布資料、飼い主向け説明動画
  • 実装支援:PIMS連携の要件整理、院内オペレーション設計、導入トレーニング

獣医師・研究者・デザイナーが同じテーブルで伴走することで、現場で使われ、数字で語れ、世界に通用するプロダクトづくりを加速します。


まずは30分の無料相談から。

既存プロダクトの海外適合診断、PoC設計の壁打ち、説明資料の改善チェックなど、どこからでもご一緒できます。VetsBrain Consulting/Designまでお気軽にご連絡ください。

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